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千代遺跡群出土 三重圏十六葉複弁蓮華文軒丸瓦

詳細情報

資料ID
126
更新日
2024/06/04
大分類
考古
資料番号
87千の丸-11
地域名
千代
遺跡名称
千代古代寺院跡(千代廃寺)
フリガナ
チヨイセキグンシュツド サジュウケンジュウロクヨウフクベンレゲモンノキマルガワラ
分類
時代・年代・製作年月日・推定年代
8世紀初頭
形態
軒丸瓦
材質
員数
1
寸法:縦
19.6
寸法:厚
2.9
指定
小田原市
所蔵
寄贈
担当所管
生涯学習課
収蔵施設
郷土文化館
解説
軒丸瓦は、本瓦葺きの建物の屋根に葺く瓦の中で、半円筒形の丸瓦の一端に瓦当という円形の瓦が組み合わさったものが屋根の先端の軒先部分に配置され、瓦当に施されている文様が外側から見られるようになっています。  馬に乗る際に足を掛けるための鐙のうち、足先部分の全体を覆った壷鐙に似ていることから、またの名を鐙瓦とも呼びます。  軒丸瓦の作り方は、瓦当部と丸瓦部を接合する技法と一本作りの二種類に分けられます。  接合する技法は、文様が彫られた笵(型)に粘土を押し入れた瓦当に丸瓦を繋げる方法で朝鮮半島から伝わりました。  一本作りは瓦当から丸瓦までを粘土で同時に作り笵(型)を押し当てる技法で、接合する技法よりも瓦当部と丸瓦部がはずれにくいといわれています。  遺跡から良好な状態で出土した瓦の破片をよく観察すると、瓦当と丸瓦を接合するための溝が瓦当裏面に見られたり、丸瓦の先端に刻み目や切込みを入れ、接合部分がはずれないように工夫していた痕跡が見られることがあり、どのような方法で軒丸瓦を作ったのかを考える上でとても重要な手掛かりとなります。複弁八葉蓮華文軒丸瓦の瓦当部の文様は、中央の圏線といわれる円で囲まれた部分(内区)に、中心に一個、その周りを8個の蓮の実がまわる部分(中房)、その周りの弁区といわれる部分に2枚で1組となった蓮の花びらである蓮弁と子葉が八枚ある複弁蓮華文が配され、その外側の周縁(外区)に16個の珠文といわれる円形の文様がまわります。千代寺院の創建期に比定される8世紀初め頃の瓦は、足柄上郡松田町のからさわ瓦窯で生産されたことが分かっていますが、8世紀中頃の所産である複弁八葉蓮華文軒丸瓦は現時点では生産された窯が不明であり、今後の調査・研究によって明らかになっていくことが期待されています。
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