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文化財指定：国登録
文化財指定（年月日）：平成29年10月27日
種別：登録有形文化財
形状等：店舗兼主屋　
木造２階建　
鉄板葺及び瓦葺（てっぱんぶきおよびかわらぶき）　
建築面積　139㎡
　内野家は、板橋で三代にわたり醤油醸造業（じょうぞうぎょう）を営んだ旧家である。今は旧道となっている東海道に南面して明治36年（1903）に建てられた店舗兼主屋のほか、文庫蔵（ぶんこぐら）、店蔵（みせぐら）、穀蔵（こくぐら）などが建てられた。昭和55年（1980）に廃業となっている。
　店舗兼主屋は、関東一円に明治時代初期に流行した土蔵造（どぞうづく）り町家の形式を取り入れ、正面に下屋（げや）を設け、軒蛇腹（のきじゃばら）を巡（めぐ）らしている。外壁は腰を石張風（いしばりふう）の装飾、上方を「なまこ壁」とし、東側の店舗入口を洋風の石造アーチとしており、和洋折衷（わようせっちゅう）的特徴を持つ貴重な建築遺構である。また正面窓廻りに銅板を張り、袖壁（そでかべ）を設けるなど防火も講じ、重厚な趣を持つ。建築当初の『明治参拾五（さんじゅうご）年新築費支払帳』が残り、当時の時代的背景や生活などが分かる点でも重要な価値を持つ。
　店蔵は土蔵造りで、外壁モルタル塗りで鉢巻（はちまき）を廻らし、正面の腰を洗出し仕上とし、南面２階の縦長窓に両開の掛子塗戸（かけごぬりど）を設けている。店舗兼主屋とともに、重厚な街路景観を形成している。
　ほかに、新座敷（しんざしき）、文庫蔵、穀蔵、工場、稲荷社、表塀が国登録有形文化財に登録されている。