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山月(旧共寿亭・大倉喜八郎別邸)(さんげつ(きゅうきょうじゅてい・おおくらきはちろうべってい))

建造物/文化財指定・登録あり/近現代
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文化財指定:国登録
文化財指定(年月日):平成14年8月21日
小田原ゆかりの優れた建造物(年月日):平成8年8月30日
種別:登録有形文化財
形状等:木造2階建
入母屋造(いりもやづくり) 
銅板葺(どうばんぶき)
延床面積 200㎡
 山月は、明治・大正時代の実業家で、大倉財閥を築くとともに、大倉集古館(おおくらしゅうこかん)の設立など文化面にも大きな足跡を残した大倉喜八郎(おおくらきはちろう)(1837~1928)が大正9年(1920)に建築した別荘で、当時は共寿亭と名付られていた。
 この建物は、外観は御殿風(ごてんふう)に見えるが、内は瀟洒(しょうしゃ)な造りで、関東大震災でもほとんど被害がなかった堅固な別荘建築である。
 唐破風(からはふ)をのせた建築当時の玄関の前では狛犬(こまいぬ)2体が客を迎え、玄関ホールの床は、箱根細工様(はこねざいくよう)の桜と欅(けやき)の寄せ木板張(よせぎいたば)り、大広間は、雀(すずめ)と蝶(ちょう)の透彫(すかしぼ)りの鏡板を交互に使った格天井(ごうてんじょう)、また応接間の天井は、網代(あじろ)と杉柾(すぎまさ)の市松模様(いちまつもよう)といずれも大変手が込んでいる。
 喜八郎が利用した1階の居間には、四畳敷の大床(おおどこ)が付き、晩年の休憩場所となっていた。2階の居間は、書院造(しょいんづくり)風で眺望がすばらしく、板戸(いたど)には梅、水仙などの草木の花が彫金細工(ちょうきんざいく)と岩絵具(いわえのぐ)で描かれた絵で飾られている。夫人の部屋は、数寄屋風(すきやふう)で格式張らずに付書院(つけしょいん)に櫛型窓(くしがたまど)、杉の面皮柱(めんかわばしら)、大面取(おおめんと)りの長押(なげし)を取り付け、優美な造りにまとめられている。
住所
神奈川県小田原市板橋870-1
カテゴリ
建造物/文化財指定・登録あり/近現代
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