「もといたおうち(どうよう)」
「もとゐたお家(童謡)」
解説
「赤い鳥」(大正15年(1926)8月)掲載。小田原を去った後の旧居が題材になっています。大倉喜八郎の園遊会に訪れた際に自邸を訪問した時に着想されたと考えられます。草稿は、ルビが振られ、字句は「赤い鳥」掲載詩と完全に一致することから浄書原稿だと考えられます。白秋一家が東京に去り、主を亡くした家が寂れた姿で建っている様子を、擬人化して表現した童謡。4連の詩で、各連は7、5調で音律が整えられ、リズミカルに口ずさむことができます。平易な言葉が選ばれていますが、前半2連では、誰もいない家のひっそりとした雰囲気や、窓が壊れ寂れた様子が描かれ、対照的に後半の2連では、生きた者たちの世界が描かれています。前半部と後半部を対照させることにより、寂しい雰囲気を漂わせながらも明るい印象の作品に仕上がっています。
朗読:堀井 美香
※草稿のため、発表作とは記述が異なる場合がございます。
朗読:堀井 美香
※草稿のため、発表作とは記述が異なる場合がございます。
- 収蔵先/所蔵者
- 小田原市立中央図書館
- 種別
- 文学
- 所在地/展示場所
- 〒2500875 神奈川県小田原市南鴨宮1-5-30 小田原市立中央図書館