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もくぞうまりしてんりゅうぞう
木造摩利支天立像

解説

 小田原城天守に安置された「御天守八尊」の一つ。木造三面六臂、鉾や弓などを持ち、猪の背に立っています。摩利支天は陽炎を神格化して仏教の天部に取入れられた守護神で、危難防除の霊験から武士に信仰されました。
 この摩利支天像は、大久保忠朝が信仰して天守に安置したものと伝え、元禄16年(1703)の大地震で天守が倒壊炎上したさいも難を逃れたとされたことから更なる崇敬をあつめ、宝永2年(1705)再建の天守棟札に「天守奉勧請摩利支天」、「御天守三階 上壇本尊摩利支尊天安置」(『相中雑志』)と記されるように、国土領民の安寧を祈念する天守八尊の中心的尊像となりました。明治3年(1870)の天守解体により、天満天神の神像を除いて大久保家の内庵永久寺(小田原市)に移され、其の後も天守七尊として天守の姿を模した厨子に納められ、木版札が発行されるなど、広く信仰されました。昭和35年(1960)の天守閣復興を期に小田原市に寄贈され、平成28年(2016)に完了したリニューアルのさい、江戸時代の小田原城天守模型(東京国立博物館蔵・神奈川県立歴史博物館寄託)で確認された尊像の安置空間を再現し、ここに納められています。
収蔵先/所蔵者
小田原城天守閣
種別
美術
所在地/展示場所
〒250-0014 神奈川県小田原市城内6-1 小田原城天守閣

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