ほんこざねむらさきいとすがけおどしはらまき
本小札紫糸素懸威腹巻
解説
小田原北条氏三代氏康の四男、北条氏規を家祖とする狭山藩主北条家に伝来した腹巻です。胴の前立挙(まえたてあげ)・後立挙はともに二段、長側(なががわ)を四段とし、胸板・脇板や装飾の鍍金仕上の金物等や、革を重ね合わせた弦肩上(わだかみ)とするなど、室町時代から戦国時代の特徴が顕著にみられます。内側を皺革(しぼがわ)で段ごとに包み、本小札(ほんこざね)であるにもかかわらず威毛(おどしげ)を素懸威(すがけおどし)とすること。また、胸板などの金具廻(かなぐまわり)と肩上、杏葉(ぎょうよう)の表面を黒漆塗りの鮫皮貼りにする点なども特徴的で、戦国時代末頃の制作と考えられます。
北条氏規所用とする所伝の真偽までは明らかでありませんが、狭山藩主北条家に伝来したこと、その制作時期からみて、小田原北条氏の有力一門ゆかりの甲冑であった可能性が高いと思われます。江戸時代末期頃に修復が行われた形跡もみられますが、保存状態も良く、小田原北条氏に関わる甲冑などは例が少なく、希少な優品です。
北条氏規所用とする所伝の真偽までは明らかでありませんが、狭山藩主北条家に伝来したこと、その制作時期からみて、小田原北条氏の有力一門ゆかりの甲冑であった可能性が高いと思われます。江戸時代末期頃に修復が行われた形跡もみられますが、保存状態も良く、小田原北条氏に関わる甲冑などは例が少なく、希少な優品です。
- 収蔵先/所蔵者
- 小田原城天守閣
- 種別
- 美術
- 所在地/展示場所
- 〒250-0014 神奈川県小田原市城内6-1 小田原城天守閣