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てんじんやまのはくしゅうとちょうなんりゅうたろう
天神山の白秋と長男隆太郎(大正13年)

解説

 白秋と長男隆太郎の写真です。自宅近くの天神山で撮影されました。ススキに囲まれた場所で、コート姿の隆太郎とステッキをこちらに向けたポーズの白秋の姿が写っています。「書斎での白秋」と同じ時の写真とみられ、大正13年(1924)の晩秋から冬頃に撮影されたと考えられます。
 白秋は、多忙な創作の間に子どもと近所の野山を散歩することを好みました。白秋はこうしたくつろいだ日常の中で発せられる隆太郎の言葉に「詩」を見出します。『緑の触覚』(改造社、昭和4年(1929))には、2、3歳頃の隆太郎の「詩」を白秋が書きとめた、「幼き者の詩(隆太郎の詩に注釈)」があり、初夏の天神山で2歳の隆太郎が作った「詩」が掲載されています。「空/坊や、空、/山の上に見た。」という、天神山から箱根連山を臨んだ時の、抜けるような青空を仰いだ時の詩です。白秋は、幼い隆太郎のみずみずしい感性を眩しく眺めていたのでしょう。小田原時代を特徴づける白秋の童謡創作は、実生活における子どもへの愛情に裏付けられていました。
収蔵先/所蔵者
小田原市立中央図書館
種別
文学
所在地/展示場所
〒2500875 神奈川県小田原市南鴨宮1-5-30 小田原市立中央図書館

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