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てつさびじろくじゅうにけんすじかぶと めい「みょうちんのぶいえ(かおう)」
鉄錆地六十二間筋兜 銘「明珍信家(花押)」

解説

 明珍派の甲冑師信家の作品です。鉢は鉄錆地六十二間筋兜。鉢裏の前正中に「明珍信家(花押)」、後正中に「天文七年戊戌三月吉日」(1538)の銘が刻まれています。典型的な信家の作風で、鉄味もよく、小田原鉢(相州鉢)の優品とされています。吹き返しに折敷(おしき)に三鱗紋(みつうろこもん)の金具が打たれており、小田原北条氏ゆかりの甲冑であった可能性も考えられます。なお、𩊱(しころ)は本小札紺糸威(ほんこざねこんいとおどし)三段ですが、江戸時代に後補されたものです。
 明珍信家は、甲冑師の一派明珍家17代にあたり、武田晴信の偏諱を受け、愛用の諏訪法性兜の作者とされています。上野白井(群馬県渋川市)のほか、小田原や甲斐府中(山梨県甲府市)に住したとも伝え、北条・武田・上杉家にゆかりのある東国を代表する甲冑師として高名です。
収蔵先/所蔵者
小田原城天守閣
種別
美術
所在地/展示場所
〒250-0014 神奈川県小田原市城内6-1 小田原城天守閣

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