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すぎとさいしきかちょうず(おかもとしゅうきひつ)
杉戸彩色花鳥図(岡本秋暉筆)

解説

 小田原城障壁画の一つで、二の丸御屋形(藩主御殿)の正面玄関を飾ったと伝える杉戸絵です。岩に孔雀(裏面:桑木に小禽)、鯉に松藤(裏面:梅花)を画題に、杉の一枚板を用い木目を巧みにいかして華麗に描かれており、藩主御殿の格調を伝える貴重な御殿建具の遺品です。落款等はありませんが、画風や筆致から江戸末期に小田原藩主大久保家に仕えた画家岡本秋暉(1807-1862)の作品と推定されています。秋暉は江戸に生まれ、小田原藩士岡本家の養子となって大久保忠真に仕え、広間番などを務めました。絵は大西圭斎らに師事し、精緻で華麗な描写が特徴で、花鳥図、特に孔雀を得意としました。
 この杉戸は二の丸御屋形払い下げ後も大久保家が所持していましたが、昭和6年の同子爵家家蔵品売却目録に見えるので、この頃大久保家を離れたと考えられます。その後、伊豆今井浜(静岡県河津町)の中井傭三別荘に使用されていたことがわかり、昭和35年の小田原城天守閣復興にあたり、小田原の漁業協同組合らが買収し、市に寄贈されました。
収蔵先/所蔵者
小田原城天守閣
指定区分
市指定
種別
美術
所在地/展示場所
〒250-0014 神奈川県小田原市城内6-1 小田原城天守閣
指定年月日
昭和49年3月30日

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