近世（1590-1870）

1865

慶応元年(1865)乙丑閏⑤

大久保忠礼

1.23～2.23　大久保忠礼,京都を出発し小田原へ帰城する[Ⅰ-286] 5.10　小田原藩,助郷役徴発の功績により矢作村名主星崎宇三郎に苗字を許し,飯泉村名主半右衛門・曽我原村名主貞吉に袴着用を許す[Ⅲ-261～263] 〃　小田原藩,上洛御用筋出精につき大磯宿役人らを褒賞する[大磯2-231～233] 5.中旬　小田原藩,将軍進発につき郡中取締役を通じて米価引き上げ禁止等を申し触れる[御3-18-15] 5.20　進発のため上洛途中の将軍家茂が小田原城二の丸御屋形に宿泊する ⑤.1　津久井県の大磯宿助郷村が進発御用繁多につき加助郷・当分助郷の勤め方軽減を道中奉行に願い出る[県10-623] 7.3　小田原藩,助郷肝煎を勤めた沼田村(南足柄市)名主安藤為之助に紋付上下を下賜し,袴着用・苗字を許す[Ⅲ-264] 7.━　相模国の油絞り業者に冥加油上納を条件に鑑札が発給される[二-1-204] 8.━　紺屋職人の規律が乱れたため古鑑札を廃棄し新鑑札を発行し,仲間掟をあらたに定める[南3-230] 9.25　御通行が重なったため臨時に竹花町米屋正兵衛を本陣,伊勢屋伝兵衛を脇本陣と定める[町誌上] 9.━　真鶴村池田与七郎が鯛長縄漁の資金100両の拝借を藩に願い出る[県9-産67] 10.━　矢倉沢村(南足柄市)ほか4か村が諸物価高騰につき炭売価の値上げを願い出る[南3-216] 11.4　小田原藩,難村復興・川除け普請・冥加金上納等の功績により湯本村(箱根町)名主福住九蔵に脇差・袴着用・苗字を許す[Ⅲ-268] 11.━　領内村が殖産のための積極的な櫨植え付けについて規定を定める[県5-249] 12.24　小田原藩,組合取締役を勤める矢作村名主星崎宇三郎倅・飯田岡村名主権左衛門・萱沼村(松田町)名主弥源次・御厨領中山村(御殿場市)名主名左衛門に脇差を許し,矢倉沢村名主田代五郎左衛門・福浦村(湯河原町)名主浦右衛門に苗字を許し,金井島村(開成町)名主五郎左衛門に袴着用を許す[Ⅲ-269～272など] 12.━　小田原藩家中の関一臈,火器増強・学問振興・農兵など富国強兵を藩主に建白する

6.━　矢倉沢関所役人が入会山の利用を制限したため,斑目村(南足柄市)が地方役所に訴え出る[南2-158] 〃　三廻部村・虫沢村の小前百姓惣代が弥勒寺村(秦野市)薬師堂へ不法寄合した件につき組合取締役に詫び状を提出する[秦3-227] 〃　米価高騰につき御厨領東田中村(御殿場市)の職人らが作料値上げの集会を企て,とがめられる[御3-10-30] 11.━　不倫・駆け落ちで閉門処分となった小船村安五郎と豊八女房くのが詫び状を提出する[Ⅲ-266・267] この年　田島村で山伊勢講が復活する[Ⅲ-273] 〃　伊藤隣之介,神山村(松田町)で寺子屋を開業する

1.15　幕府,長州征伐の中止を発表する 3.17　長州藩が藩論を討幕に変更する 5.16～　将軍家茂,第二次長州征伐のため進発する 5.━　坂本竜馬らが長崎で貿易商社亀山社中(のちの海援隊)を結成,長州藩に武器輸入を斡旋する 〃　幕府,征長資金献納を江戸・大坂の富裕者や諸国社寺に命じる ⑤.21　坂本龍馬・中岡慎太郎・木戸孝允ら,下関で薩長連合につき話し合う ⑤.24　将軍家茂,大坂城に入る 7.5　米価高騰のため川崎宿で打ちこわしがおきる 9.16　4か国艦隊が兵庫沖に集結し,条約勅許・兵庫開港を要求する 9.27　幕府がフランスから240万ドルを借用し春から建設中の横須賀製鉄所で起工式を行う 10.5　孝明天皇,5か国条約を勅許するが,兵庫開港は不許可とする 11.7　幕府,第2次長州征伐の出兵計画を発表する 11.21　征長先鋒として彦根藩兵らが大坂を出発する 12.━　幕府,横浜廻送の諸国生糸につき江戸生糸問屋改めを廃止し,代官改め・手数料徴収に切り替える