近現代（1871-2000）

1920

大正九年(一九二〇)庚申

1.13　小田原生繭(株)(足柄村多古,取締役長谷川良輔)が設立される(～1932年6月)[Ⅱ-197] 1.━　古新宿漁業組合・千度小路漁業組合が組織され,小田原漁業組合から分離独立[208,430] 〃　小田原町内への転入者が増加してきたため,借家人組合が結成される[Ⅱ-133] 2.～3.━　小田原三業組合,遊興税反対連合同盟を組織,県下同業者と呼応して遊興税新設反対運動を展開,廃棄させる[430] 3.4　報徳購買組合が発足(4月7日設立許可)[295] 3.7　国家主義団体の青年改造同盟,「皇太子妃」問題で古稀庵の山県有朋を訪問,面会を拒否される,11日御幸座で訪問顚末の演説会終了後,自動車でビラをまく[186,430] 3.15　箱根物産塗職工,工賃値上げを問屋側に交渉して20日より実施[430] 3.22　町会,大正9年度新税目として電柱税・観覧税の導入を決定(7月大蔵省認可)[430] 3.～4.━　下府中村,鉄道院に国府津―小田原間停車場設置請願運動を開始[27,430] 4.1　中村原―小竹間道路,二宮―神山線として県道に認定される[321] 4.13　大日本機関車乗務員会,国府津機関区で結成される[192] 4.17　小田原警察署,足柄上郡・足柄下郡の工場主を集め,工場主会設立を斡旋[Ⅱ-134] 4.30　小田原郵便局集配人,臨時手当支給の通知をうけるが,手当の増額を要求して怠業を継続[Ⅱ-134] 5.5～6.18　小田原瓦斯(株)臨時休業,5月16日茨城県側の株主全員が退陣し,小田原の株主による経営となる(取締役社長高橋久五郎)[42] 5.10　第14回総選挙,7区から森恪(立憲政友会)が当選[192] 5.━　高木製糸工場・小田原紡績会社,小田原海岸で男女工の慰安会を開催[150] 6.1　下曽我村に3等無集配局を開設[415] 7.1　大日本軌道小田原支社,熱海―小田原間の鉄道に関する権限を国に売却,同日熱海軌道組合を設立して運営を続行,国有民営の形で貸与される(～1922年12月)[411] 8.7　陸軍管区表改正により,足柄上郡・足柄下郡は第1師管から第15師管に移管となり,静岡連隊区に配属される(軍令陸第10号)[Ⅱ-122] 8.18　熱海線工事請負の日本工業会社の労働者,片浦村地内で賃金減額反対の同盟罷業[Ⅱ-134] 8.24　東京高速鉄道(株),新宿―小田原駅間鉄道敷設を出願(1922年5月29日認可,1923年3月8日小田原急行鉄道(株)と改称)[30,183] 8.31　下曽我村会,停車場敷地買収のため部落有財産処分を可決,鉄道省へ無償寄付[319] 8.━　太田バケット工場(足柄村荻窪,バケツ製造,太田光昌)が設立される[Ⅱ-202] 〃　小田原郵便局集配人,総辞職を決議して怠業[Ⅱ-134] 10.1　第1回国勢調査,小田原町戸数4835,人口2万2983人[66] 〃　小田原電気鉄道(株),町役場―小田原駅間に軌道を新設して運転を開始,国府津一小田原町役場間は12月6日で廃線[384] 10.21　熱海線小田原駅が開業,国府津―小田原駅間が開通,小田原町では22・23の両日開通祝賀行事を実施[Ⅱ-258][148,365,430] 10.━　富士屋自働車(株)・小田原電気鉄道(株)・箱根自動車会社,小田原駅構内自動車営業の認可をうける[430] 〃　鈴木益次郎,人力車組合鉄道組を組織し,小田原駅構内営業の許可をうける[430] 11.26　大一漁業(株)(幸2丁目,ブリ網経営)が設立される[430] 11.29　足柄下郡産業組合連合会,郡内組合の統一を計画[430] 11.━　足柄下郡産米麦改良会(地主・小作の融和団体)が発足[Ⅱ-82] 〃　小田原石材合資会社(大窪村)が設立される[通] 12.9　足柄下郡地主会,小作問題に関して埼玉県下を視察[430] この年　酒匂村網一色耕地整理組合が設立される[通] 〃　足柄下郡農会,農事実行組合設置奨励規則を制定[Ⅱ-83] 〃　東洋運輸自動車会社(国府津村)が設立される[175] 〃　国府津―松田間道路,県費支弁道路から郡道に編入される(郡制廃止により町村に移管)[Ⅱ-252] 〃　富士水力電気(株),国府津変電所を建設[284] 〃　足柄下郡産米麦改良会,小作人へ補償米を支給[Ⅱ-85] 〃　足柄下郡内小作人,納入米に等外米を購入して納めるケースが増える[430] 〃　小田原駅乗降客は1日平均3000人,国府津駅は熱海線開通前の5000人に対し1000人と落ち込む[430] 〃　カフェレゾート(食堂),富士屋自働車小田原営業所建物階上に開店[384] 〃　野砲兵16～18連隊,足柄村に宿営(3回)[15] 〃　国勢調査の趣旨普及のため,活動写真の利用や在郷軍人分会・青年会による講演会,調査員の家庭訪問,教員が児童を通じて家庭へという方法を実施[Ⅱ-37～39]

2.4　足柄下郡長,婦人修養機関として処女会設置を校長会に指示[Ⅱ-111] 2.11　大窪村処女会が創立[150] 2.14～15　早稲田・慶応・明治・東京高師による第1回東京一箱根間往復駅伝競争(報知新聞社主催,箱根駅伝)が開催され,東京高師が優勝[277] 4.4　横浜貿易新報社,児童大会を富貴座で開催[430] 5.29　修養団,小田原支部を小田原中学校内に設置[430] 6.6　尋常前羽小学校,高等科設置の認可をうける(翌年度から尋常高等前羽小学校と改称)[407] 6.━　足柄村立尋常高等多古・芦子・二川・富水・久野の各小学校が尋常高等多古小学校に統合され,芦子(第1)久野(第2)富水(第3)は尋常科1～3年までの分教場となる[46] 〃　小田原保勝会,「小田原の史実と伝説」を発行[Ⅱ-127] 〃　下曽我村,曽我太郎祐信の城址(旧蹟)を保存のため購入[319] 8.1　小田原保勝会,御幸の浜海上花火・とうろう流しを初めて実施[Ⅱ-127] 8.3　台風通過にともなう豪雨,片浦村を中心に豊川村・上府中村・下府中村で被害[177,430] 8.━　牧野信一,「凸面鏡」(『新小説』)で文壇にデビュー[115] 9.30　台風接近による豪雨,片浦村を中心に豊川村・上府中村・下府中村で土砂災害が発生,山王川氾濫のため町内浸水被害(～10月5日)[177,319,430] 10.1　豪雨,1日の降雨量193.7mmを記録,早川が氾濫し大窪村で浸水被害[35] 10.30　足柄村立尋常高等多古小学校,尋常高等足柄小学校と改称[59] 11.21　第1回県下中等学校連合剣道大会が小田原中学校で開催される[430] 12.━　小田原保勝会,小田原駅広場に老松を移植[Ⅱ-127] この年　秋,雑誌『民衆』第2次同人で再刊,川崎長太郎・松田不久二が参加(～1921年5月)[通] 〃　足柄下郡処女会が設立される[430] 〃　小田原警察署管内遊覧客のうち宿泊客総数が38万人にのぼる[430] 〃　牧雅雄「M牧師の顔」,日本美術院第7回展覧会に初入選[190] 〃　牧野信一,鈴木十郎・浜野英二らと『金と銀』を創刊[通]

1.10　国際連盟発足 1.21　生糸相場高騰,横浜生糸取引所開設以来の最高値 1.23　東京湾埋立(株)設立 1.27　県,平和克復にあたり内務省訓令の趣旨徹底を訓示 1.31　全国普選期成連合会結成 2.11　東京で普選大示威行進,111団体が参加 〃　松竹キネマ合名会社設立 3.8　衆議院,衆議院議員選挙法改正案(小選挙区,納税資格3円)を修正可決 3.15　株式市場,株価暴落で混乱(戦後恐慌はじまる) 3.28　平塚らいてう・市川房枝ら新婦人協会を結成 3.━　箱根土地(株)設立 4.16　生糸相場暴落,横浜生糸取引所休業 4.20　大正活動写真(株)横浜で創立 5.1　横浜仲士同盟会,横浜で日本初のメーデーを挙行 5.2　第1回メーデー,上野公園で開催 5.15　鉄道院を廃止,鉄道省を設置 5.24　七十四銀行・横浜貯蓄銀行休業,県下諸銀行で取り付け 6.━　日本興行銀行,臨時産業資金の供給を開始 7.6　高等女学校令を改正公布 7.12　衆議院,憲政会・国民党提出の普選法案を否決 8.24　内務省に社会局,農商務省工務局に労働課を設置 9.13　県,産業部を新設 10.18　知事,郡市長会で国民道徳の涵養と思想の善導を訓示 10.28　県穀物検査所設置 11.10　第2次全国蚕糸業者大会,全国一斉操業休止を決議 12.9　大杉栄ら,日本社会主義同盟を結成 12.16　(株)横浜興信銀行設立(後の横浜銀行) 〃　道路取締令を公布 〃　改正実業学校令を公布 12.17　国際連盟,南洋群島の日本委任統治を決定 12.26　山本鼎・北原白秋ら,日本自由教育協会を結成 12.━　県,特別会計に市町村の社会事業費貸付金を設置