近現代（1871-2000）

1946

昭和二一年(一九四六)丙戌

1.10　内閣印刷局酒匂工場,新円切替証紙の緊急製造を開始[323] 1.11　逓信復興官民協議会,小田原逓信委員会を組織[219] 1.15　神奈川県労働組合協議会が結成され,富士写真フイルム小田原工場労働組合がオブザーバーで参加[105] 1.━　小田原市復興委員会を組織、戦災地の塵芥処理・県道改修工事・市道の拡張・市公会堂の建設を論議,5月末にかけて市内復興の論点を提示[現-2] 2.3　労働組合総同盟神奈川県連合会が結成され,小田原運送労働組合・小田原自動車工業労働組合が参加[179] 2.4　小田原警察署,民生保安協議会を設置[現-8] 2.━　県商工経済会小田原支部内に生活安定協議会(会長江島平八)が設置される[現-135] 3.5　小田原市婦人会,大日本婦人会の解散にともない設立される(会長鈴木わか,会員750人)[60] 3.9　曽我村役場焼失,1949年5月まで曽我小学校を仮庁舎とする[348] 3.29　国府津町,朝鮮人43人の登録・調査を政府に報告[通] 3.31　町内会・部落会および同連合会を廃止,4月町内会長の一斉改選と規約変更を実施[60,284] 3.下旬　小田原市主要食糧緊急対策協議会が結成され,主食遅配対策にあたる[60] 4.10　第22回総選挙,全県区定数12,市域から河野一郎(日本自由)が当選 4.11　市長鈴木英雄退任(1944年6月13日～)[現-付][66] 4.29　小田原地区食糧配給状況,欠配日数1.6日[290] 4.━　市内町内会長一斉改選,40%が新任会長[通] 5.1　第17回「復活メーデー」,藤棚広場に4000人が参加[105] 5.7　名誉職市長条例を設定[66] 5.10　国府津町,食糧緊急対策委員会を設置(～1947年)[284] 5.11　小田原地区食糧配給状況,欠配日数3.5日[290] 5.14　飢餓突破市民大会を開催,飢餓突破実行委員を選出(主要食糧緊急対策協議会は市食糧対策協議会にひきつがれる),町内会飢餓突破協力会を結成[現-137] 5.18　幸・万年方面の主婦300人,食糧即時配給を市に陳情[290] 5.19　食糧危機突破国府津町民大会を開催[現-138] 5.20　湘南地区労働組合連絡会議を結成(9月,秦野地区を含め,西湘地区労働組合会議となる)[105] 〃　小田原市飢餓突破実行委員会,県知事に救済方を陳情[290] 5.28　米第8軍軍政部衛生課ミラー大尉,町内会長に清掃防疫を講演[219] 5.29　市復興委員会,市内復興計画の骨子をまとめる[現-2] 5.━　足柄下郡主要食糧緊急対策連絡支部を設置[284] 〃　市民酒場が開設される(～6月15日,1人ビール1本つまみ付で5円,1日100人分)[219] 6.1　大工町・一丁田・青物町を露店営業地に指定,136業者が組合による自主的営業を開始[60] 6.4　食糧危機のため人口流入抑制策を実施[現-140] 6.14　佐藤謙吉,内相の「市長立候補者,推薦命令書」を受けた市会の判断により,市長に就任(～1948年12月27日)[現一付][60] 6.15　国府津町,食糧救援を知事に陳情[284] 6.21　市食糧調整委員会が設置される(1947年8月28日改組)[60,290] 6.━　小田原警察署警察懇話会が発足[290] 〃　小田原地区食糧配給状況,6月1日欠配日数14.3日,6月20日欠配日数16.3日[290] 7.6　河野一郎衆議院議員,公職追放,中西伊之助(共産)繰上げ当選[192] 7.7　日本農民組合神奈川県連合会西部協議会,食糧危機打開・民主農村建設を決議[現-167] 7.10　小田原地区食糧配給状況,欠配日数12.6日[290] 7.13　鬼柳堰ほか2か堰管理者,酒匂川左岸用排水幹線変更を知事に陳情[348] 7.20　足柄下地方事務所でモデルに選定した3町村のうち,国府津町で民主自治発展協議懇談会を開催[現-10] 7.25・30　小田原市,足柄上郡・下郡内居住の朝鮮人の第1次帰還を実施[通] 8.2　小田原地区食糧配給状況,欠配日数15.4日[290] 8.6　都市計画神奈川委員会,小田原復興都市計画土地区画整理決定に基づき審議を開始[290] 8.28　小田原商工会議所設立準備委員会を設立[103] 8.━　小田原復興都市計画街路を決定[現-5] 〃　町内会,市民消費組合を結成し,食糧危機の緩和をはかる明朗芸能大会・復興納涼大会を開催[60] 〃　市内1万1000坪が勅令「戦災都市における建築制限に関する件」(通称バラック令)の適用をうける[342] 〃　小田原警察署後援会が発足[現-11] 〃　内閣印刷局酒匂工場,共同浴場を町民に開放(～1963年)[219] 9.30　小田原地区食糧配給状況,欠配日数7.7日[290] 9.━　小田原中央青果市場(荻窪,代表古川清治)が設立される,1954年株式会社に改組[60] 〃　市,戦災都市として特別都市計画法の適用をうける(県内ではほかに横浜・川崎・平塚の3市)[342] 〃　都市計画街路に28線を追加変更[85] 〃　内務省相模土木出張所,酒匂川改修と国道1号線改良に着手[219] 10.1　同胞援護会国府津町分会が設立される[現-148] 10.5　小田原市選挙管理委員会(委員長川島秀雄)を設置[60] 10.25　小田原商工会議所創立総会(初代会頭江島平八,足柄上・下両郡をふくむ会員数689人,12月24日設立認可される)[現-47][60,290] 10.26　根府川郵便局が開局(1950年10月1日電信業務開始)[146] 11.15　上曽我農民文化会が発足[現-60] 11.20　市会会議規則を全面改正[66] 12.1　小田原区裁判所に横浜地方裁判所甲号支部を設置,開庁[60] 12.20　市町村,農地委員選挙[284,382] 12.25　小田原市農地委員会を設置[60] この年　一丁田・青物町・宮小路の空襲被災地に戦災復興土地区画整理を実施[66] 〃　市,山下水道を買収し,水道水源不足を解消[125] 〃　市営製塩所民間譲渡について,専売局に官塩増配運動をおこす[60] 〃　新日本興行(株)(のち台糖ファイザー(株)に移管),板橋の研究所でペニシリン製造を開始[60,62] 〃　北米向神奈川県産温州ミカンの輸出を開始[284] 〃　鈴木二六,相潤会を組織し,医療相談・法律相談を開始[現-48] 〃　建築関係団体,進駐軍より右翼思想団体として閉鎖される[58] 〃　農業会,食糧調整委員30名を選任し,食糧の自給対策をはかる[60] 〃　農地改革趣旨徹底のため,小田原地方の町村民大会を開催(9～10月)[通] 〃　市町村に農地制度改革推進委員会を設置し,農地改革の普及宣伝推進活動を展開[通] 〃　小田原市厚生援護会が発足(～1948年3月)[現-149] 〃　小田原地区引揚者連盟(委員長夏堀正三)が発足[現-147] 〃　労働組合結成状況,小田原郵便局従業員組合・相洋印刷小田原工場労働組合・富士写真フイルム小田原工場労働組合・太田繊維従業員組合・小田原商工学校教育組合・日本通運関東地区労働組合小田原支部・湘南度器製作所酒匂工場労働組合・小田原製紙労働組合・小田原運送労働組合・小西六写真工業従業員組合・箱根登山鉄道従業員組合・小田原自動車工業労働組合・内閣恩給局従業員組合・東京証券印刷小田原工場従業員厚生組合・国鉄東京地方労働組合国府津支部・小田原運送労働組合・小八幡漁業労働組合・湯浅電池労働組合・立川工作所小田原工場労働組合小田原支部・三国商工労働組合・明治製菓労働組合小田原支部・小田原瓦斯労働組合をはじめ,東宝従業員組合撮影所支所小田原職場会・全逓関東地区連合会小田原支部が結成される[105,179] 〃　小田原商工学校・小西六写真工業小田原工場・湘南製作所酒匂工場・立川工作所小田原工場で労働組合が生産管理闘争に突入[217] 〃　翌年にかけて猛烈なインフレが続き,ヤミ米・食糧買い出しが続出し,市民生活の安定をおびやかす[通] 〃　1945年から25歳以下の青少年層の犯罪が増加,この年上半期普通犯罪1021件,検挙数785件で,留置収容者99人のうち未成年者が24人[現-169]

1.3　小田原演劇研究会,劇団こゆるぎを創立(7月劇団こゆるぎ座と改称)[293] 1.20　三曲名流大会を本町国民学校で開催,NHKラジオで全国に放送(～3月)[現-1] 1.24　小田原児童文化研究会貝殻座,第1回童話会を開催[Ⅱ-416] 1.━　市内各学校,修身・国史・地理の授業が停止となり,教科用図書の回収がはじまる,8月1日以降一切禁止となる[現-196][179] 〃　小田原工業学校,小田原商工学校と改称[93] 〃　小田原俳句研究会が発足(1947年8月小田原俳句文化協会と改称)[114,375] 2.11　『神静民報』創刊,1947年5月から日刊となる[114,192] 2.12～18　県尊徳会小田原支部,報徳精神を基本とする母親学級を足柄国民学校・小田原託児所で,勤労学級を実践女学校久野校舎で実施[Ⅱ-426] 2.━　横浜憲兵隊ベーカー大尉,市内学校を視察[57,97] 3.12　国府津町ほか3か町村学校組合立富士見農業学校,設置認可[284] 3.28　県尊徳会,善栄寺(桜井村)に報徳道場を開設[Ⅱ-426] 3.30～31　小田原国民文学研究会,市図書館と協同で牧雅雄遺作展を開催[Ⅱ-416] 4.━　新名女子商業学校,新名高等家政女学校と改称[373] 〃　私立湘山女子学園(十字3丁目,校長宮澤九万象)が設立される[60] 〃　北條秀司,疎開先の箱根から小田原に転居,十字町に住み,1948年まで劇団こゆるぎの稽古指導に乗り出す[通] 5.1　早川交友会(青年による文化運動組織)発会式(～1948年)[375] 5.16　城内国民学校,食糧事情の悪化で自由登校制を実施[48] 5.26　小田原俳句研究会,小田原俳句大会を開催[114] 6.1　足柄国民学校和留沢分教場が開校(1947年11月1日久野小学校和留沢分校,1953年2月2日久野小学校明神分校と改称)[60] 6.23　市営ボート場開場式[290] 6.24　市図書館生活相談部・小田原文化研究会,イーストパン普及運動に着手,製パン講習会を開催[現-218][114] 6.━　昭和洋裁学院出版部,『コスチューム(服装)』を創刊[305] 7.18　第1回小田原市民音楽コンクールを開催[138] 7.28　小田原市体育連盟(会長益田信世),野球・庭球・卓球・水泳・陸上競技の5協会で結成[122] 7.━　小田原高等女学校,食糧危機突破のため夏休みを繰り上げ授業を短縮[92] 8.22　小田原商工学校,文部大臣より閉鎖命令をうける,26日,市会,市への移管を議決,9月1日市立小田原商工学校となる[60] 8.━　東京帝大の卒業生・在学生を中心に,小田原理想協会を結成,民主主義の建設を目指す青年民主政治研究会を組織,同研究会,15回にわたる講座を開催,講師には,都留重人・大河内一男・服部之総・三枝博音・藤井正一・市川房枝らが名を連ねる[114,139] 〃　永田東一郎,詩誌「自由詩人」を創刊(～1949年3月終刊)[131] 9.4　二宮尊徳百六十年祭記念報徳大会,報徳二宮神社で開催,中央報徳会・大日本報徳社・新興報徳社が報徳連合会を結成[現-231][219] 9.8　小田原市青少年団連盟が発足(14団体4644人)[現-221][66] 9.14　劇団こゆるぎ座第1回公演(～9月15日)[293] 9.━　オリオン座が開場[380] 〃　草場弘,報徳研究講習会を栢山善栄寺で開催,青年報徳運動の推進を決議[通] 10.15　小田原文化クラブが発足[114] 10.20　1市2郡国民学校野球大会を開催[97] 11.1　市立小田原商工学校,工業科を廃止,市立商業学校と改称[60] 11.2　足柄下地方事務所,国史授業再開を国民学校長宛に通牒[現-201] 11.15　足柄下地方事務所,公民館設置促進協議会を開催[現-220] 11.25　足柄上・下両郡と小田原市連合の新教育研究懇談会を開催[4] 〃　財団法人朝陽会保育園(現おおとり保育園)開設[147] 12.17　実践女学校久野校舎,火災で全焼[60] 12.━　社団法人報徳民主同盟(津田光造・加藤仁平)が設立される[290] 〃　新学制実施準備協議会を結成[60,62] 〃　小田原地方民主文化団体協議会,全逓小田原支部が核となり結成される[114] この年　連合国最高指令部から発せられる通牒に,学校長以下職員の記名捺印が指示される[現-195] 〃　市立高等女学校,富士写真フイルム小田原工場の寮を借り4学級を収容[60] 〃　松永安左衛門,小田原板橋に転居[190] 〃　プレアデス合唱団(指揮石黒脩三)が結成される[通] 〃　小田原市の復員者調査によると,戦死者112人,未帰還者929人,帰還者23人[現-168] 〃　小田原市の昭和20年度の人口は6万4577人で,前年度の5万7541人から7036人増える,この増加は復員・引揚げ・入植などによる[通] この頃　市内小学校で「母の会」を組織,母親学級・学級母の会・学級参観が実施される[358]

1.1　天皇,神格化否定の詔書 1.4　GHQ,軍国主義者の公職追放を指令 1.12　国連安全保障理事会成立 〃　民主主義科学者協会創立大会 1.17　県会議員各選挙区議員定数を改正(48人),8月29日50人,11月28日60人に改正 1.28　GHQ,映画検閲を開始 2.2　宗教法人令を改正公布(神社本庁設立) 2.3　マッカーサー,GHQ民政局に3原則(天皇は国家の首部,戦争放棄,封建制度の撤廃)に基づく日本憲法草案の作成を指示 2.9　日本農民組合結成 2.17　金融緊急措置令(新円切り替え)・食糧緊急措置令を公布 2.19　天皇,神奈川県を巡幸 2.20　県,部落会・町内会・隣組再建要綱を通達 2.21　日本民主主義文化連盟結成 3.3　物価統制令(3.3物価体系) 3.5　元英首相チャーチル,「鉄のカーテン」演説(冷戦のはじまり) 3.6　政府,象徴天皇制,戦争放棄等を規定した憲法改正草案を発表 3.7　県,経済危機緊急対策実施に伴う経済道義高揚を通達 3.9　都会地転入抑制緊急措置令を公布 3.16　婦人民主クラブ結成 3.31　米国教育使節団,教育の民主化を勧告 3.━　政府,朝鮮人・中華民国人・台湾人らの登録調査を命令 4.5　第1回連合国対日理事会開会 4.10　第22回総選挙,婦人議員39人誕生,共産党議会初進出 4.16　県,主要食糧緊急対策連絡本部を設置 4.20　持株会社整理委員会令を公布(財閥解体) 4.22　米軍,琉球米軍政府下に民政府を創設 〃　漫画「サザエさん」連載開始 4.━　鎌倉大学校設立 5.1　メーデー復活(第17回) 5.3　極東国際軍事裁判所開廷 5.6　知事,米第8軍に食糧救援を要請 5.19　東京で飯米獲得人民大会(食糧メーデー) 5.20　マッカーサー「暴民デモ許さず」と声明書を発表 5.22　第1次吉田茂内閣成立 〃　神奈川県柑橘協会創立 5.━　労働者の生産管理闘争ひろがる 6.2　日本宗教連盟設立 6.13　政府,社会秩序保持,食糧危機突破に関する声明と食糧危機突破対策要項を発表 6.22　GHQ,日本の漁業・捕鯨業に「マッカーサー・ライン」を設定 6.━　GHQ,第2次農地改革を勧告 7.5　文部省,市町村に公民館の設置を通牒 8.1　日本労働組合総同盟結成 8.10　教育刷新委員会設置 8.12　経済安定本部・物価庁設置 8.16　経済団体連合会発足 8.19　全日本産業別労働組合会議結成 8.━　県,食糧調整委員会設置 9.5　県,引揚者援護連絡本部を設置 9.9　生活保護法を公布 9.13　民生委員令を公布 9.27　労働関係調整法を公布 10.1　産別会議「10月闘争」はじまる 10.8　復興金融金庫法を公布(復興インフレはじまる) 〃　文部省,教育勅語奉読の廃止を通達 10.12　日本史の授業,スミぬり教科書が再開 10.19　戦時補償特別措置法を公布 10.21　農地調整法政正・自作農創設特別措置法を公布(第2次農地改革) 10.━　県開拓帰農組合会結成 11.1　第1回国民体育大会開催 11.3　日本国憲法を公布 11.16　当用漢字表・現代かなづかいを告示 11.20　日本商工会議所設立 11.━　ララ物資救援開始 12.2　内務省,特殊飲食店(赤線)を指定 12.22　電産争議解決,「電産型賃金」成立 12.27　閣議,石炭,鉄鋼中心の傾斜生産方式を採用